●ワーホリ体験記

2012年度
滞在先：ブルターニュ（オーベルジュでの研修）
体験者：稲毛美咲さん

　私のワーキングホリデーは、これからもっと自分が笑顔でいられることを教えてくれました。
　私はレストランのあるホテルで５月から１０月の６ヶ月間、パティシエとして働きました。オーナーのムッシュはパティシエなのですが、何でも出来るすごい人でした。もちろん料理もしますし、サービスもソムリエもこなし、また英語もドイツ語も堪能でした。日本好きなムッシュは紫蘇や抹茶、のりなどを料理に使用したり、オーガニックの野菜や果物、ワインなどのためにマルシェや試飲会に参加し常に新しいものを取り入れようとするすばらしい方でした。
　そして、とても優しい方でいつも私のことを気にかけてくださいました。パティシエとして働き始めましたが、私はブーランジェだったのでわからないことも多々ありました。フランス語のわからない私に何度も作り方を教えてくださいました。失敗しても何でもやらせてもらえました。１０月にはムッシュが直接パン屋さんに頼んでくださり、２週間の研修をすることができました。同僚もやさしい方々で休みにはいろんな所に連れて行ってくれました。フランス語を教えてくれたり、いつも声をかけてくれました。大家さんもとても親切な方で、船に乗ってピクニックに連れて行ってくれたり、クレープの作り方を教えていただきました。
　ホームシックになりましたが、こうして周りの方々が親切にしてくれたので最後までがんばることができました。とても感謝しております。
　私が佐藤さんにお願いしたのは、渡仏前から職場がわかるからでした。フランスで働く所や住まいが決まっていることは、計画を立てることができ、資金の心配をすることもなくスムーズに準備ができます。サポート会社で重要視したのは、家族への安心感です。フランスに行ってみたい、働いてみたい、住んでみたいという気持ちは理解してもらえますが、やはり家族はそれ以上に不安や心配が大きいと思います。事前に職場や住まいの住所を伝えることでとても安心すると思います。反対に家族に止められたら行くのを止めようかと思う程度の気持ちだったこともありました。
　フランスへ１年間ワーキングホリデーで行くことは、なかなか一歩を踏み出せないことでした。佐藤さんはいろんな提案をしてくださいました。本当はもっとフランス語が上達してから渡仏したほうがいいという事でしたが、私は私のタイミングがあったので、挨拶程度しか出来ませんでしたが渡仏しました。
　今振り返ってみると、私はワーキングホリデーのために考えたことや準備したことを含めて、自分のことを知ることができたような気がします。誰かと違うことがしたいというのと、自分がしたいこととは違うこと。上を見ればいくらでも上がいて、届かないこともあること。悪く言えば、あきらめてると思うが、そう思うのは誰かと比べているからなのかな。それでも、そんな自分を認めることができたり、納得できたりすることも勇気なのではないかと思います。あきらめないことが大事なときの方が多いかもしれない。それを使い分けれる人になっていきたいと思います。