●ワーホリ体験記

2019年度
滞在先：パリ
ホテル
体験者：Melle. Yさん

2019年８月の末から１年間、ワーキングホリデービザを使ってミルジョワ企画の支援の下、パリ1区の4☆ホテルにて就労経験をさせていただきました。
以前からフランス語を勉強し、言葉や文化を知るほどに魅力を感じ、いつかフランスの社会で働いてみたいと思っていました。

ただ、フランスで生活している知人の話を聞いたり自分で情報を調べる度に、その難しさに打ち当たり、仕事は最悪何とかなるとしてもフランスで自分の力で住む場所を見つけて生活をする自信がなく、どうしようかと悩んでいました。
ワーホリビザ申請可能な年齢に迫る中、情報収集をしていた際にミルジョワ企画のサイトにたどり着き藁にもすがる思いでお話を伺い、就職先と住居探しをお任せすることになりました。
私は生まれも育ちも日本ですが韓国籍で、ワーホリビザを取るには韓国まで行って申請し、受け取りまで３週間ほど待たなければなりませんでした。仕事をしている私にとってそこも大きな壁となり、なかなかワーホリビザでフランスへ行く決断が出来ずにいましたが、ミルジョワの佐藤さんにお話を聞き、将来フランスで本格的に働きたいという私の希望を叶えるには先ずはワーホリビザで渡仏する必要があると思い、ミルジョワ企画にお願いしたら自分が望む滞在になるだろうと確信し、支援をお願いすることにしました。

まず、就労先はフランス社会で働くことが目的であったため、パン屋さん・カフェ等で働く事を想像していましたが、佐藤さんが私のこれまでの接客業の経験を考慮してくださり、ホテルの受付のお仕事を紹介して下さいました。当時はホテルのレセプションなんて務まるのだろうかと不安でしたが、実際に働くと今までの自分の経験が活かせて多国籍な環境で働きたいという私の希望にマッチし、とても楽しく働くことができました。
同じレセプションの同僚や上司はほぼフランス人で、客室係・清掃スタッフなどは外国籍の方もいてとても国際色豊かな職場環境でした。お客様は海外からがほとんどで、アメリカ・ロシア・アジアなど様々でした。
働いて初めの１週間ほどは教育係がついて仕事を教えてくれましたが、その後は平日の日中には予約と受付の責任者がいるのですが、それ以外基本レセプションは一人でした。
自分の段取りで気楽に働ける点は良かったのですが、何か分からないことがあった時やお客さまのリクエストが重なった際に一人で対処するのは不安でプレッシャーを感じることもありました。お部屋やサービスに関しては客室係に聞いたり、分からないことがあったときは後で来る同僚に仕事を引き継ぐ際に質問したりして何とかやっていました。特に電話でのやり取りが困難で、他の同僚が出たら一瞬で解決する内容でも私が出ると聞き直したり上司に相談したりと時間がかかりお待たせしてしまうので申し訳なさで落ち込むこともありましたが、大きなミスで迷惑をかけないように大事なこと（お金・予約関係）に関しては時間をかけてでもしつこいくらいに確認をして、一度学んだことは次回一人でもできるようにメモをして常にノートにして持ち歩いていました。失敗をしたり落ち込むようなことがあっても、ユーモアをもって励ましてくれた上司・同僚には本当に感謝の気持ちが尽きません。
ホテルのお仕事は初めてでしたが、タクシーの運転手、庭師、技術士、清掃スタッフなど様々な人に会えて私が勤務した数ヶ月の間に３回以上戻って来られるお客さまもいて、常連さんともお話ができて楽しいお仕事だと思いました。もっとフランス語ができたら緊張しないで会話が楽しめるのになとも思いました。

ワーホリ中にコロナが流行し、3月中旬からホテルが閉館となり仕事に行くことができなかった為、ワーホリ後半はほとんどお家で自粛して大好きな同僚たちに会えず辛い時期もありましたが、メッセージを送りあったり電話で話して励まし合い、人の優しさを感じる時でもありました。また、自粛中はミルジョワ企画で仕事を見つけて頂いたおかげでCDI（期限の無い契約）で就労したため、仕事がなくても失業手当をもらって生活をすることができました。この１年間で、フランスの人々のシンプルな中にも奥深い暮らしやさっぱりしているけど温かな優しさ、ユーモアに触れて益々クセになり好きになりました。本当にたくさんの思い出ができ、来れて良かったと思います。
フランスでの生活の悪い点を挙げると、場所や環境によってはアジア人ということで配慮に欠ける態度をされたり、強く言わないと動いてくれなかったりしてなるべく面倒や争いごとを避けたい私としては大変でした。感情的になってはいけないけど強く言わないとこちらの状況を分かってくれないことがあって、銀行口座開設等の手続きではいつも憂鬱でした。

フランス語に関してですが、仕事が始まると全然勉強をする時間と余裕がありませんでした。仕事で出てくる単語は毎日使って覚えますが、友人たちと話をするときに相手主体の話になると全然聞き取れないことが多々ありました。日本である程度勉強をしたつもりでしたが、知らない単語や表現がありすぎてショックでした。日本で勉強するにも限界があるので仕方が無いですが、やはり最低でも基本的な勉強をしっかりして来ないと滞在中のストレスが多くなってしまうと思います。当たり前ではありますが、早く上達するにはフランス滞在中に現地の人とできるだけたくさん会話をすることだと思います。一人でリスニングをしてもなかなか覚えられないですが、会話で出てきた言葉は忘れにくいので、日本文化・料理等に興味がある友達を見つけてできるだけ毎日お話をするのが一番いいと思います。あと、知らない言葉はできるだけその場で聞いてクリアにすることです。友人や同僚なら皆優しく教えてくれるので遠慮せずに聞くのがいいです。

パリでのワーホリ体験を通して、日々の暮らしを楽しむ事を学んだ気がします。友人との食事を楽しんだり、自然・景色・芸術を楽しむことに幸せを感じる1年でした。私もまだまだ知らないことがたくさんありますが、これからもフランスに触れてその楽しさを伝えていきたいと思います。
最後に私のワーホリをビザ申請前から滞在中までずっと支えて下さった佐藤さんにこのような素晴らしい体験を叶えて下さって心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました。